睡眠時無呼吸症候群を悪化させる習慣
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を合併しやすいことからも、日常の行動や習慣が密接にかかわっていると考えられます。そのため、治療にあたっては、専門的な治療を検討すると同時に、日常生活で悪化させる要因がないか、食生活や運動習慣などを見なおすと良いでしょう。
こんな習慣はありませんか?
- タバコがやめられない
- お酒が好きで、寝酒が習慣になっている
- 栄養バランスを考えず好きなものを食べる
- 食べる量が多い
- 体を動かすのがおっくう
- 運動の習慣がない
- 睡眠薬を使用している
- 口呼吸が習慣になっている
生活習慣見なおしのポイント
生活習慣の見なおしは、睡眠時無呼吸症候群の改善につながるだけでなく、生活習慣病をはじめ心臓や脳などの重大な病気を予防する上でも欠かせません。下記に、見なおしにあたっての考え方やポイントで説明していますので、参考にして下さい。
・減量
睡眠時無呼吸症候群の患者さんの多くは肥満を伴っていることから、治療中はつねに減量に取り組むことが推奨されています。肥満の改善により、睡眠時無呼吸症候群の重症度をある程度下げることも可能と考えられています。
・食生活
摂取カロリーは、年齢や性別に応じ、必要とされる範囲にとどめるよう注意しましょう。また、栄養バランスの良い食事は、減量を行う上で基本となります。健康に良いとされる食品も摂りすぎると逆効果となることがあるため、バランスは大切です。
・運動
ふだん体を動かしていない人は無理をせず、ウォーキングなどを手始めに少しずつ生活に運動を取り入れると良いでしょう。軽く息が切れるレベルの30~60分間の有酸素運動を週4~7 回行うことが推奨されています。
・お酒
お酒を飲むと全身の筋肉が緩くなり、気道の筋肉も緩んで閉塞を起こしやすくなります。睡眠時無呼吸症候群の悪化を防ぐため、就寝前のお酒は避けましょう。
・睡眠薬
睡眠薬の中には、気道の筋肉が緩くなり、睡眠時無呼吸症候群が悪化するものがあります。現在、これらのお薬を服用されている人は、最初の診察時に持参し、医師にご相談ください。
・睡眠中の体勢
睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、睡眠中の体の向きによって無呼吸が改善し、あおむきより横向きの体勢を維持することが良いと考えられています。睡眠中に体の向きを一定に保つことは難しいものですが、簡便で体への悪影響はないため、なるべく横向きを意識すると良いでしょう。
・口呼吸
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などがある場合、鼻が詰まって口で呼吸しがちになります。口を開けたまま呼吸を続けると舌が落ち込み、気道が閉塞しやすい状態になります。口呼吸をしている方は、その原因となっている鼻の病気を治療すると良いでしょう。