自覚しにくい症状

睡眠時無呼吸症候群の患者さんでみられる症状には、さまざまなものがあります。下記は、睡眠中、起床時、日中、それぞれにみられる睡眠時無呼吸症候群のおもな症状です。
この中でも睡眠中のいびきや呼吸の異変については、患者さん本人は自覚しにくいものです。心当たりのある人は、家族や同居者にたずねてみると良いでしょう。

睡眠中
  • いびきをかく
  • いびきが止まり、大きな呼吸とともにふたたびいびきをかきはじめる
  • 呼吸が止まる、呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
  • むせる
  • なんども目が覚める(トイレに行くために起きる)
  • 寝汗をかく
起床時
  • 口が渇く
  • 頭痛がする
  • 熟睡感がない
  • すっきり起きられない
  • 身体が重いと感じる
日中
  • 強い眠気がある
  • だるさ、倦怠感がある
  • 集中力が続かない
  • いつも疲労感がある

※これらの症状は睡眠時無呼吸症候群の患者さんにみられる一般的な症状です。
睡眠時無呼吸症候群であってもいくつかの症状が該当しない場合があります。

日中の行動に悪影響も

眠そうな人 無呼吸になると体内が危険な状態となるため、脳がめざめ、ふたたび呼吸が始まります。そして、しばらくするとまた気道が閉塞して無呼吸となり、脳がめざめ、呼吸が再開する状態を繰り返すため、睡眠時無呼吸症候群の患者さんの睡眠は浅くなります。
その結果、日中に強い眠気や倦怠感に襲われ、仕事でミスをしたり、運転中にウトウトしたりと、悪影響をおよぼしかねません。現に、睡眠時無呼吸症候群の患者さんにおける運転事故率は、睡眠時無呼吸症候群でない人の2.4倍1)という報告もあるほどです。
睡眠時無呼吸症候群というと「睡眠中にいびきをかく病気」というイメージかもしれませんが、じつは、日中の行動や社会生活に大きな悪影響をおよぼしかねない病気と捉えるべきでしょう。

1)Tregear S, Reston J, Schoelles K, et al. J Clin Sleep Med. 2009: 5; 573-81.